生塩工業とは

時代遅れかもしれないけど、 マジメさと仲の良さが自慢です

はじめまして。生塩(うしお)工業株式会社と申します。

おそらく、私たちのことをご存知の方は少ないかもしれませんね。
(ご存知の方はありがとうございます)

小さな会社ですが、少しでも興味をお持ちいただけたのなら、ぜひ最後まで読んでみてください。

配管ひと筋で、もうすぐ半世紀

私たちは、千葉県市原市の中小企業です。

創業は、1975年(昭和50年)。出光石油やコスモ石油といった名だたる製油会社のプラントを手がけてきた大手エンジニアリング会社のパートナーとして、建設工事や配管工事を手がけてきました。京葉工業地域にそびえ立つ巨大なプラント群こそが、私たちの成果です。

一般的に見たら「下請け業者のひとつ」に過ぎないのかもしれません。では、なぜ「下請け業者のひとつ」がバブル崩壊やリーマンショックなどの経済不況を乗り越えられたのか。それは、技術力、団結力の高さがあったからに他なりません(少し手前味噌ですが)。

もともとは、私たちも大手エンジニアリング会社の「下請け業者のひとつ」でした。先代が数名の職人たちと共に独立。小さな配管工事だとしても、常に120%取り組み続けました。

すると、どうでしょう。少しずつ「こんな真面目な会社があるんだ」「うちの工事もお願いしたい」といった声をかけていただけるようになりました。120%で向き合い続けるなかで、一歩ずつ、そして確実に会社として成長を遂げてきたわけです。私たちの歴史は、技術、そして仲間たちと共に歩んできた道のりそのものといっても過言ではないでしょう。

その想いは、代替わりした今も変わりません。だからこそプラントの心臓部のような難易度の高い工事でも、品質面や安全面を信頼していただける。営業活動をしなくても「生塩工業じゃないとできない工事だよね」と声をかけていただける。その結果、業績は安定しています。

昭和、平成、そして令和。時代が移り変わるなかでも、プラントの建設工事・配管工事ひと筋で貫いてこられた事実こそ、何よりの証拠だといえるのではないでしょうか。

プラントとは、巨大なプラモデル?

ところで、プラントと聞いてピンとくる人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

ざっくり言うと、プラントとは工場のこと。石油やガスといったエネルギー資源、化学・医薬品、製鉄、発電など、私たちの暮らしに欠かせないものづくりを支えています。

たとえば石油を精製するプラント。海外から輸入してきた原油を蒸留し、ガソリンや灯油など用途に応じた製品が生まれていきます(化学プラントであればプラスチック、発電プラントであれば電力)。この一連の流れが行なわれるのが、プラントなのです。つまり、プラントを抜きに私たちの暮らしは成立しません。言うなれば、“プラントの血管”が私たちが施工する配管です。責任が重く、世の中に欠かせない仕事に携わっているのが私たちなのです。

プラントに関わる醍醐味はそれだけではありません。私たちは、プラントとは、世界で最もやり甲斐のあるプラモデルだと思っています。工事を管理する現場監督であれば、全体の工程が自分が思い描いたとおりのスケジュールや展開で進んだときは嬉しいですし、現場で技術を発揮する配管工は難易度の高い合わせ仕事がスムーズにいけば気持ちがいいものです。その感覚は、子どもの頃に夢中になったプラモデルづくりに少し似ています。

社会を支える責任感とものづくりのワクワク感を独り占めできる。それが、プラントというフィールドなのです。

そして、私たちが手がける配管工事の多くはプラントの新設工事とメンテナンス。新設工事とは文字通り新たにプラントを設立する工事です。

一方、メンテナンスとは、フル稼働していたプラントの操業を一度停止させて調子の良くない装置などを修理すること。操業を停止できる期間はあらかじめ決まっているため新設工事と同等のスケジューリングが求められます。

特に「定修工事」と呼ばれる短期間のメンテナンス前にはプラント内を空っぽにしなければならないため、石油などのエネルギー資源をすべて排出します(プラントをご覧になったことがある方はエントツのようなところから炎が立ち昇っているシーンを見たことがあるかもしれませんね)。

そしていざ工事が始まるとなると、全国よりさまざまな業種の方たちが数千名規模で集結。短期間の工事を決められたスケジュールのなかで技術や能力を発揮しています。プラントから立ち昇る炎を“聖火”とすると、定修工事は“オリンピック”。私たちにとっては一層気持ちの引き締まる時期です。

なぜ、生塩工業は「マジメ」と言われるのか

技術力や団結力を高めるために、専門的なトレーニングを用意していたり、社外秘の設備があったり……というわけではありません。何も特別なことはやっていないのです。

あえてひとつ挙げるとしたら、コミュニケーションでしょうか。うーん、コミュニケーションという言葉も少し堅苦しいですね。もっとシンプルに言うと「よく話す」だと思います。

先代の頃から続けているのですが、現場での仕事だと直行直帰(自宅から現場へ行って、現場から自宅へ帰るスタイル)が一般的ですが、私たちはなるべく帰りに本社に立ち寄ってもらうようにしています。

「面談」や「ミーティング」といった肩肘張るようなのものではなく、「今日の現場どうだった?」「今日は暑かったね。お疲れさま」といった日常会話をする程度。生塩工業の主役は、現場で汗水流している仲間たちです。彼らが1日頑張ってきて、嬉しかったことや時には愚痴なんかも言いたくなるでしょう。そういうときに話を聞いてあげられる存在でありたい。せっかく遅くまで頑張ったのに、ねぎらってもらえなかったり、本社に立ち寄ったのに照明が消えていたりしたら、さみしいじゃないですか。

みんなが本音で話せる場を設けること。それは決して馴れ合いではないと思っています。それぞれの意見を尊重しながら家族のように接すること。小さなことかもしれませんが、それによってみんなが相談しやすくなり、技術力や団結力が向上しているんだと思います。

社員だけではありません。私たちには力を貸してくれる協力会社の仲間たちもいます。先代の頃から協力してもらっているグループがあるので、長いところで45年ほどの付き合いです。いくら私たちだけが努力したところで、彼らの協力抜きには今日はありえません。だから私たちは彼らとも社員と同等にコミュニケーションをとっています。協力会社の仲間たちが「生塩工業のために」と働いてくれるのは、本当に嬉しいものです。

生塩工業の未来に、若い力を

せっかくの機会なので、生塩工業のこれからについても考えてみました。

私たちがやるべきはただひとつ。これからも、よりお客さまに喜んでいただける技術を追求していきたいと思います。人手も限られているので「何か新しいことを」というよりも、昨日を自分たちを超えるために挑戦を続けていく。それが結果としてお客さまの満足につながるはずです。

一般的には「学校を卒業し、大手企業に就職」という生き方を求める人がまだまだ多いかもしれません。ただ、私たちのような中小企業でも大手企業の方たちと連携を取り、工事完遂という目標に向かって一致団結して進めていくことも可能です。もしかしたら、個人のレベルアップが求められ、個人の力を発揮し、仕事のやり甲斐を見いだせるのは、私たちのような中小企業なのではないでしょうか。

大手企業の数千分のひとりとして埋もれてしまうよりも、企業の主力メンバーのひとりとして力を発揮する人生を選んでもらえたら嬉しく思います。

確かに現状は好調です。業績も安定しています。年齢的なバランスも整っています。

しかし、40〜50代のメンバーはいつまでも同じようには働けません。彼らから技術を継承した現在の20〜30代が中心となる時代がやってくるはずです。そこで募りたいのが、若い力です。私たちが半世紀かけて築き上げてきた技術をさらに受け継いでくれる新たな仲間が必要なのです。

派手さはないかもしれない。もしかしたら、プラントという馴染みのない設備に不安を感じる人もいるかもしれない。でも、他では得難い確かなやり甲斐があることは断言できます。そして何より技術にマジメな仲間たちが待っています。

興味をお持ちいただけた方は、ぜひ生塩工業の扉をノックしてみてください。